競技用AP210


 ま〜ったく、射撃の競技に出るつもりなんか全くないのに、こんなもんを買ってしまってからに。KSCのAP210。5m離れた距離から2cmの的に当てられる、数少ない拳銃です。このコーナーの他の銃について余り命中率を問題にしていないのは、要するにこれに勝つのは到底無理だからというわけがあります。その代わり値段も一番高かったし、上についている照準器を合わせると、5万円弱かなあ。
 では何だってこんな物をと言えば、ガスを使わない所謂ハンドコッキングの銃は大抵如何にも安っぽく、経験的にも弾がとんでもない方向に飛ぶことが多いから。つまり、「命中性能のいいハンドコッキング」として買ったのでした。
 だいたい、APSカップなんかの競技は400人くらいが参加というから、他の大会も合わせて考えたとて、製造数がそんなに少なくては商売にならないでしょう。多分、可也の人数が、私のように競技に出ずに楽しんでいるのではないかと思います。

 さて、感想を言えば、とにかくよく当たる。これに尽きます。この機種の「210」という番号は、光学式の照準器を付けるタイプなので、同じシリーズの200番と違って最初からそのためのレールが付けられており、レバーの向きも変えられています。でも、そのレールと前方の照星を一直線に並べるだけでも、そこそこ使い物になるからすごい。
 実は最初は、左の五千円余りのダットサイトを着けてみたのですが、これ、調整がしにくい上に構造が柔で壊れやすい。すぐに使えなくなったので、実際の上写真に着いているしっかりしたものに代えました。
 それで、一応は本格的な精密射撃競技でやっているように、片手で保持して腰に手を当てるスタイルで撃っていますが、これがまた片手で手を伸ばすと重い重い。何か、一ヶ月で手に力が着いてきました。
 雑誌なんかを見ると、余り力を入れず卵を持つような感じ、とあり、そのため手首の支えが着いています。考えてみりゃ、これはピアノの弾き方にも通じる訳で、キーボード奏者でもある私にはいい練習ですね。
 ただこれは、注意していないとよく忘れます。思い出して力を抜くことしばしば。確かにそうした方が当たるみたいです。練習次第では、可也の命中率になるでしょう。

 最後にこのページを参考にしていただける方のための注意ですが、写真の左、黄色い矢印は装弾中にレバーを引っ掛けるための穴、右、緑の矢印がBB弾を入れる穴です。これを弾込め中にレバーが外れて左の穴に弾が入ると、悲惨なことになります。とても取り出しにくい上に、発条ばねが傷んでしまう。また、実際このレバーが、装弾中に外れ易いんですね。だから私は、一度苦い目を見てから、指でレバーを押えて球を入れることにしました。皆さんも、ご注意下さい。

 さて、夏のAPSカップ、見学くらいには行くかな。

宇宙暦40年5月29日



銃器室に戻る